クビアカツヤカミキリについて
クビアカツヤカミキリは、サクラやモモ、スモモ、ウメなどバラ科を中心とした多種の樹木を加害することで知られる特定外来生物です。
県内では、2019年8月にはじめて確認され、今後、県内の被害拡大に注意が必要です。
クビアカツヤカミキリは、2018年1月に外来生物法の特定外来生物に指定されました。体長は2.5~4cmほど(触角・脚は含まず)で、体は黒く光沢があり、前胸部(いわゆるクビ)はソロバンの珠の形に似ていて鮮やかな赤色をしています。5月中旬~8月頃に羽化し、1か月ほどの寿命の間に、樹皮の割れ目などに直径1~1.5mmの卵をたくさん産卵します。
クビアカツヤカミキリの幼虫は、成虫になるまでの間、樹木の中で生活するため、普段、私たちが目にする機会はありません。幼虫は2~3年間、樹木の内部を食害しながら成長し、樹を弱らせますが、その間、主に初夏から秋にかけて、樹木に開けた排出口からフンと木くずの混ざった「フラス」といわれる排出物を大量に排出します(下の写真参照)。樹木の内部に幼虫がいるかどうかは、フラスの発生で判断します。(フラスを排出する昆虫はほかにもいます。判別が難しいときは,茨城県生物多様性センターまでご相談ください。)
色は茶色又は黄褐色で、特徴的な「あらびきのひき肉」状をしています。4月頃から秋にかけて活発に排出されます。比較的固いものから簡単に崩れるものまで様々です。若い幼虫のものは細く、成長すると太くなります。被害を受けた木の根元や幹の股などには、排出口から落ちたフラスが大量に堆積します。樹液が混ざるとペースト状になります。
※クビアカツヤカミキリに関する詳細な情報は、以下リンク先のPDFファイルをご覧ください。
※環境省 クビアカツヤカミキリ1.
※環境省 クビアカツヤカミキリ2.
ツヤハダゴマダラカミキリについて
ツヤハダゴマダラカミキリは、街路樹や公園の樹木のカツラ、アキニレ、ベニバナトチノキ、セイヨウトチノキ、ヤナギ類など多種類の樹木を加害することで知られ、令和5年9月1日に特定外来生物に指定されました。
県内でもすでに、石岡市、つくば市、古河市などで確認されています。ツヤハダゴマダラカミキリは繁殖力が非常に強く、今後の生息域拡大、倒木による人身被害が懸念されていますが、ヤナギ類は河川敷に広く野生種が生育しているため、防除が難しい状況となっています。海外では植栽樹等に甚大な被害を及ぼしており、本虫が国内にまん延した場合、有用な植物に重大な損害を与えるおそれがあります。また、幼虫が樹木内部を食い荒らし、被害が進行すると樹木が枯死し倒木等の恐れがあります。
ツヤハダゴマダラカミキリには以下の特徴があります
・在来種のゴマダラカミキリに似ているが、胸部の白紋がない。
・胸部に近い翅部分には白紋がなく、顆粒状突起がない。
※ツヤハダゴマダラカミキリに関する詳細な情報は、以下リンク先のPDFファイルをご覧ください。
※森林総合研究所 ツヤハダゴマダラカミキリ
撮影:佐々木泰弘
サビイロクワカミキリについて
サビイロクワカミキリは、街路樹や市街地等に植栽されているイヌエンジュ、エンジュへ加害し、在来のマメ科植物への食害で知られ、令和5年9月1日に特定外来生物に指定されました。
茨城県では確認されていませんが、サビイロクワカミキリに街路樹等の植栽樹が加害されることで、景観への悪影響等の被害を引き起こす他、市街地など公共の場においては被害木の枯損や落枝等による二次的な人的被害が発生する危険性や市街地の街路樹や公園だけでなく、森林域に侵入定着した場合、植生や森林生態系への悪影響が懸念されます。
※サビイロクワカミキリに関する詳細な情報は、以下リンク先のPDFファイルをご覧ください。
3種類のカミキリムシを見つけたら
すぐに、茨城県生物多様性センターか、桜川市生活環境課まで、発見した場所(住所)、個体の数、被害を受けた木の樹種や本数等の情報をご連絡お願いします。また、樹木の所有者又は管理者の方の場合は、直ちにカミキリムシをその場でたたきつぶすか踏みつぶすなどして駆除も併せて行ってください。
※上記3種類のカミキリムシは『特定外来生物』に指定されているため、生きたままの個体の移動が禁止されています。
茨城県生物多様性センター029-301-2940