地域日本語教室開設の検討
桜川市及び桜川市国際交流協会では、外国人住民の増加を受けて、今年度から地域日本語教室の開設を検討しています。
外国籍の方々が市のサービスやルールを理解し、地域の人々とつながる機会をつくることで、日本人も外国人も安心して暮らせる地域づくりを目指しています。
この事業は、文部科学省の「地域日本語教育スタートアッププログラム」を活用しています。
当市の在留外国人数の推移
H30
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H31 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | |
外国籍住民数 | 367人 | 479人 | 439人 | 454人 | 535人 | 658人 | 772人 |
人口に占める割合 |
0.9% | 1.2% | 1.1% | 1.2% | 1.4% | 1.8% | 2.0% |
主な国籍 | ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、スリランカ、タイ | ||||||
主な在留資格 | 技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務、永住者、家族滞在 |
今年度の活動と今後の計画
令和6年度 | 8月~9月 ニーズ調査 10月 地域日本語教室開設講演会「日本語でつながるまちづくり」 11月 フォローアップ会議、近隣町村の日本語教室視察 12月 地域日本語教育スタートアッププログラム事業報告会 2月 やさしい日本語講座 |
令和7年度 | 7月~8月 学習支援者養成講座 9月~11月 試行的な日本語教室 12月 事業報告会 |
令和8年度 | 5月~ 7年度の試行的な教室で必要性が確認できれば日本語教室を開設 学習支援者養成講座 12月 事業報告会 |
令和6年8月から行った地域日本語教室の開設と多文化共生についてのアンケート調査において、外国籍住民を含めた市民189名から回答を得ました。その中で日本語教室が必要かという質問に対し、日本人からは74%、外国人からは88%の賛成の回答があったため、10月から講演会等を開催し検討を進めています。
地域日本語教室開設講演会「日本語でつながるまちづくり」 令和6年10月7日
文部科学省の「地域日本語教育スタートアッププログラム」で選任され、日本語教育事業アドバイザーとして今年度から当協会を担当している砂川裕一氏、吉田聖子氏、一氏隼人氏を講師に迎え、講演会を開催しました。市民をはじめ、茨城県および大学の日本語教育関係者、市役所職員など計38名が参加しました。
第一部を「地域日本語教室のスタートラインで何を考えるか」、第二部を「地域日本語教室ってどんなところ」とし、日本語教室の役割や、教室でどのような活動が行われるのかについて講師陣から説明がありました。また、質疑応答では、教室開設の課題や地域の外国人支援に関するさまざまな質問や意見が寄せられました。
参加者からは、以下のような意見が聞かれました。
「日本語教室は単なる語学学習の場ではなく、生活オリエンテーションの場としての役割も重要であるというお話が印象的でした。」
「桜川市でも外国人の増加による課題への対応が求められますが、ゴミ出しのルールを守れないのは日本人の中にも多く見られます。また、高齢者や日本語が不自由な子どもなどの『情報弱者』にも配慮が必要です。日本語教室が設けられることで、多くの人に利用してもらい、市民全体が支える仕組みを作るべきだと感じました。学ぶことが選択肢を広げる鍵だと思います。」
◀講演会の様子
フォローアップ会議 令和6年11月29日
今後の活動について意見交換をするため、令和6年10月に開催した講演会の参加者を対象にフォローアップ会議を開催しました。会議には市民、大学関係者、アドバイザーが出席し、自己紹介やこれまでの活動報告を行った後、今後の方針について協議しました。参加者からは、外国人に日本語教室を周知する方法や、日本語以外にも緊急時対応や郵便の出し方などの生活に役立つ活動を行ってはどうかという意見が出されました。
◀意見交換の様子
地域日本語教育スタートアッププログラム事業報告会に参加 令和6年12月23日
文部科学省主催の報告会が開催され、地域日本語教育スタートアッププログラムを活用している全国の地方自治体が一堂に会しました。午前中は12の市町村が、午後は19の都道府県などがそれぞれのブースで発表や意見交換を行いました。他地域の優れた事例を学ぶとともに、全国のアドバイザーから当協会の事業進捗について貴重なご意見をいただく好機となりました。
◀北海道から宮崎県まで全国から自治体が集まりました。
やさしい日本語講座 令和7年2月1日
かながわ国際交流財団の一氏隼人氏を講師として招き、「やさしい日本語講座」を開催しました。
やさしい日本語とは、難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のことです。外国人住民の国籍が多様化している現状において、すべての言語に対応することには限界があるため、日本語表現を簡単にし、必要な情報を正確に伝える工夫が求められています。本講座は、地域の国際化が進む現状への対応や、来年度に試行的に開講予定の日本語教室の準備を目的として実施されました。
講座には、桜川市在住の外国人ゲストを含む市民が参加しました。やさしい日本語に変換する練習問題に取り組んだほか、外国人ゲストに桜川市のおすすめスポットを紹介する時間も設けられました。
外国人ゲストと参加者がお互いに熱心にコミュニケーションを取る姿が見られ、交流が深まりました。
参加者からは、「とてもわかりやすく楽しい時間が過ごせました。日常的に使っている日本語もやさしい日本語を使うと子どもからお年寄りまでコミュニケーションがとれるのではないかと思いました。」との感想が寄せられました。
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▲実践問題に挑戦した皆さん | ▲インドネシア国籍の4名のゲストが参加 |
ブルガリア料理教室 令和7年1月11日
講師にブルガリア出身のアントニオ・アンゲロフさんを招き、「バニツァ」の作り方とブルガリア文化の紹介を行いました。
バニツァは、ブルガリアで日常的に食べられている伝統的なパイです。「永遠の恵み」という意味が込められ、新年やクリスマスシーズンの食卓にも欠かせない一品です。薄いパイ生地を丸めて型に敷き、ヨーグルト、フェタチーズ、卵を混ぜ合わせた具を流し込んでオーブンで焼き上げます。今回の教室では、新年のお祝いにふさわしいバニツァを作るため、「幸運」「家庭円満」「昇進」などのメッセージを書いた紙やコインを中に入れ、おみくじ形式に仕上げました。
さらに、アントニオさんからブルガリアのクリスマスや新年の過ごし方についての解説があり、参加者から好評をいただきました。参加者は、「バニツァ作りはとても斬新でした。薄い皮を巻いてトレーに詰めていくという発想はすごいと思いました。ブルガリアのクリスマスについても聞けて良かったです。キリスト教の国の過ごし方を聞けるのは貴重な機会でした。」と感想を述べていました。
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▲バニツァ作りの様子 ▲参加者の皆さんと記念撮影
天皇誕生日祝賀レセプションに出席 令和7年2月20日
フィリピンのグランド・ハイアット・マニラにて行われた令和6年度天皇誕生日祝賀レセプションにブースを出展し、地酒やおかきなどの地場産品をPRしました。
このレセプションは、世界各国にある日本の在外公館によって毎年開催され、天皇陛下の御誕生日を祝ってその国の政府要人、国会議員、各国の外交団などを招き、友好関係の強化や日本の魅力を発信するものです。
会場には約1,000名の招待客が集まり、日本舞踊の演目や、生け花、盆栽など日本文化の展示が行われました。また、日本の企業や団体による32のブースが設けられ、日本の製品やサービスのPR、日本食の提供もありました。当市の地酒とおかきは招待客から大変好評で、多くの方々に桜川市をPRすることができました。
今回の渡航では友好交流都市であるバコール市も訪問し、大塚市長とバコール市のストライク市長が今後の交流について協議を行いました。さらに渡航最終日には、遠藤和也駐フィリピン日本国特命全権大使を表敬訪問し、今後の両国間の友好交流についてお話を伺いました。
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▲出展ブースでのPRの様子 ▲遠藤大使表敬訪問 ▲左:ストライクバコール市長 右:大塚市長
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▲地酒やおかきの他にひな祭り、石製品、ヤマザクラなどもPR。日本酒試飲カップを使った投票では右側のGreat!に沢山の票が集まりました。