国指定文化財 工芸品
![]() |
|
箱型に三脚をつけた笈で、正面を三段に区切り、各段に観音開きの扉を設け、中央に一本の帖木を嵌める。枠木や帖木は桑材に黒漆を施している。扉には粗い布を貼り朱漆を塗り、そのうえに花形をかたどった皮製の文様を貼り黒漆を施している。
上段および下框に金銅菊座楕円形紐通し金物をつけ、左右には鉄製提鐶をつけている。
この笈は源義経のものである、という伝承が『新編常陸国誌』に見え、帖木の裏に武蔵坊弁慶の墨書銘がかすかに残っているが、様式、技法からみて年代は下るものである。