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磯部稲村神社の参道をはさんで、両側約1キロメートルに及んで桜の並木があり、古来磯部の百色桜として、桜の名勝となり、吉野に次いで名高かった。 東北産の品種シロヤマザクラを中心として、花の色、香りなどに富み、学術的に貴重な存在であるが、現在、巨樹は殆んど枯死し、ソメイヨシノ、ヤマザクラなどを補植したものである。
後撰集には紀貫之の「常よりも春べになればさくら河花の波こそ間なく寄すらめ」があり、その他多くの歌に詠まれている。
また、世阿弥元清の作である謡曲「桜川」は、この地を題材にしたものである。岩瀬地区の山口にある鏡ケ池に源を発する桜川は、つくば市・土浦市を経て霞ケ浦にそそぐ川である。