桜川市での住民監査請求に基づく監査状況は次のとおりです。
令和5年度
令和5年11月16日付請求:一部却下(監査を行わず)、一部棄却
令和4年度「農産物プロモーション事業」のうち、以下の計4,166千円の委託契約及び支出行為が違法であるため、契約の締結及び支出について、市長、副市長及びそれぞれの相当分野の決裁権者である経済部長、会計管理者に返還を求める請求
(1)クラセル桜川へのプロモーション業務委託費(495千円)について、随意契約理由が正当な理由とは言えず、委託契約の締結は違法である。また、業務委託の執行について、適正な検査を行ったとは認められないため、委託料の支払いについても違法である。
⇒クラセル桜川の設立目的および定款、実績等から、同社は本件プロモーション業務の目的に適合する企業であり、本件委託契約の締結は、その性質又は目的が競争入札に適さないものに該当するとした市の判断に不合理な点はなく、違法又は不当な契約の締結にあたらない。
また支出手続きについても、本件プロモーション業務が十分に履行されていたと判断できることから、支出行為が違法、無効になることはなく、市として損害を被ったとは言えないため棄却。
(2) クラセル桜川からの物品購入費(4品:2,810千円)について、随意契約が可能な金額になるよう意図的に分割購入している。また関係書類について内容に不備があるため、支払いは違法である。
⇒ア 4品中3品については、措置請求書を受け付けた時点において、すべての財務会計上の行為があった日から1年を経過しており、地方自治法第242条第2項に規定される住民監査請求をすることのできる期間(行為のあった日等から1年)を経過したことに正当な理由もないことから要件を満たしていないため却下。
イ 住民監査請求の要件を満たす支出行為についても、平成21年4月2日付け「桜川市財務規則の随意契約関係の運用について」に則った事務手続きであり、一般的な販売金額と比較して特段高い金額で市に対し販売されたものではなく、市に具体的な損害があったとは認められなかったため棄却。
(3) A米穀店からの物品購入費(1品:861千円)について、随意契約が可能な金額になるよう意図的に分割購入している。また関係書類について内容に不備があるため、支払いは違法である。
⇒(2)イと同様の理由により棄却。
令和4年度
令和5年3月31日付請求:却下(監査を行わず)
令和3年5月7日に交付決定をした令和3年度桜川市地域商社運営補助金は、補助事業等実績報告書において企画開発に関する費用4,752,059円は、内容を示す帳票がない中で補助金額の確定をしている。さらに補助金概算払精算書は、その精算を証する文書等が存在していないため、桜川市補助金等交付規則及び桜川市地域商社運営補助金交付要項と照らし不当であり、同補助額を決定した副市長に同補助額の全部または一部の返還を求める。
⇒請求書を受け付けた時点において、財務会計上の行為のあった日から1年経過しており、地方自治法第242条第2項に規定される住民監査請求をすることのできる期間(行為のあった日等から1年)を経過したことに正当な理由もないことから要件を満たしていないため却下。
令和3年度
令和3年8月4日付請求:棄却
令和3年5月31日に市長の東京出張に際して支払われた宿泊費等は、根拠条例・規則に違反して違法であり、新型コロナウイルス感染症対策の上でも不適切であるため、市長及び市長公用車運転手に返還を求める。
⇒当該宿泊費は、根拠条例・規則の規定に基づいた金額の支出であった。また、当日の東京出張・宿泊についても、桜川市のPRという明確な目的を持った公務であり、公務の時間帯や当日の移動距離等を考慮し宿泊することは合理性があることから、請求には理由がなく棄却。
令和3年8月5日付請求:棄却
令和3年6月4日の市長公用車の走行距離は、市長公用車の運転記録上109kmである。当日の市内での公務2件及び近隣市へのオイル交換を含めても通常考えられる走行距離は70km程度であるから、過大に走行した39kmは公用車の私的利用が考えられる。このため、市長に不正な市長公用車の走行39km分の燃料費420円を返還するよう求める。
⇒当日の市長公用車の行程を確認しても、市長公用車は純粋に公務にのみ使用されていたと判断できることから、不正に使用されたという事実は存在しない。このため、請求人が主張している不当な燃料費の支出によって市が被った損害の程度も算定できないため棄却。
令和3年6月7日付請求:却下(監査を行わず)
(1)桜川市水道事業は、老朽管の更新事業よりも桜川筑西インターチェンジ周辺の配管布設を優先しているのは不当な公金の支出であり、該当する工事に係る工事請負費を市の損害として、市長及び副市長に返還を求める。
⇒該当する工事及び委託業務は計12件あったが、そのうち10件は地方自治法第242条第2項に規定される住民監査請求をすることのできる期間(行為のあった日等から1年)を経過していた。また、残る2件については、契約の締結若しくは公金の支出に対する主張をすることなく、政策に関する主張を繰り返すのみであった。あらゆる行政施策は財務会計上の行為を伴うが、一般行政施策の全てを住民監査請求の対象とすることは、住民監査請求の対象を財務会計上の行為に限定している制度の趣旨を逸脱することになるため却下。
(2)令和元年度水道事業会計は、資金不足が生じているはずが、これを隠し、資金不足が生じていない旨の公表をしている。これは地方財政健全化法に違反しているため、これを是正し、公表しなければならない。これに伴い発生する広報さくらがわの追加発行費用を総務部長及び会計管理者に返済するよう請求する。
⇒請求の対象となる財務会計上の行為及び市の損害がないため却下。
*令和元年度水道事業において資金不足がある旨の請求については、請求人の算定誤りであった。
令和3年4月8日付請求:却下(監査を行わず)
令和元年度に税務課が締結した令和3年度桜川市固定資産税評価替えのための不動産鑑定業務委託は不当に高額であり、請求人が算定した金額との差額は市の損害であるため、市長に損害を返還するよう勧告をすることを求める。
⇒請求書を受け付けた時点において、当該契約の契約締結日から1年経過しており、地方自治法第242条第2項に規定される住民監査請求をすることのできる期間(行為のあった日等から1年)を経過したことに正当な理由もないことから要件を満たしていないため却下。
令和2年度
なし
令和元年度
令和2年3月12日付請求(棄却)
令和元年度補正予算中、桜川市土地開発公社に対する貸付金について債務負担行為(補正)を行っているが、この債務負担行為は予算様式によって設定する必要はなく、法律行為としても無効である。これは、市民や市議会議員に誤解を招くだけでなく、予算書作成等に余分な経費を支出しているので、当該債務負担行為を削除する補正予算の提案をするとともに、総務部長、財政課長は、予算書作成に係る不当な経費の支出1万円を市に返済することを求める。
⇒桜川市土地開発公社が市へ借入金の返済できない状態は確定されていないため棄却。また、1万円の支出行為はない。
令和2年3月12日付請求(棄却)
令和2年度当初予算中に設定されている債務負担行為(桜川市土地開発公社の造成事業等)は、契約の性質等が不明瞭である。公社の造成事業(宅地開発事業)は収益事業であるが、計画地域の宅地開発は採算性が極めて悪く、売却見込みも薄弱である。債務負担行為の設定によって、桜川市土地開発公社の不当な契約の締結、履行及び不当な公金の支出に結び付くことが確実に予測されるので、当該債務負担行為の執行停止を請求する。
⇒請求人の主張する違法若しくは不当な公金の支出は請求時において存在せず、財産的損害も発生していないため棄却。