発掘の様子をご紹介します
・真壁城跡には本丸、二の丸、中城、外曲輪といったエリアがあります。 ・史跡整備事業としての発掘調査を行っています。 ・現在は中城エリアを整備するための調査を行っています。 ・今年度の現地説明会は11月9日(土)を予定しています。詳細は10月頃に発表します。 ・調査成果は 現地説明会資料 をご覧ください。 |
令和6年度(2024年)
【6月】発掘が始まりました!
今年度はこれまでの調査成果を踏まえて、追加調査を行います。
詳細はこれからアップしていきます♪
▲直径約6センチのかわらけの小皿が大量に出土しました。とても珍しいです。
▲作業風景
令和5年度(2023年)
【11月18日】現地説明会を開催
当日は市内外から82名の方々にお越しいただきました。
ご参陣いただいた方々、誠にありがとうございました。
当日の資料はこちらからダウンロードできます。
ぜひご覧ください!
【11月】排水設備の特徴や年代が判明
・竪穴状遺構(旧:堀状遺構)
複雑な形状、時期の変遷、役割が明らかになりました。
東側に1本のL字型の溝と南側に2本の溝が方形の窪みと接続した形状のものが久幹後期に造られました。
代替わりに伴い、南側の溝1本を残して埋め立てられ方形の窪みを縮小して造り変えられますが、氏幹後期には全て埋め立てられました。
役割は排水設備と考えられます。
・南北溝
久幹後期以前からある溝を代替わりに伴い埋め立てられますが、かさ上げ造成後に整備された園路に沿って再度同じ場所に造られました。
・園路東側の溝
久幹後期に造られたこの溝は南側に向かって水を流していました。
代替わりに伴い埋め立られたものの、溝を造り直して近世まで使用されました。
【10月】久幹の北池の範囲が確定
北池の西側の範囲が確定し、久幹後期の様相が明らかとなりました。
底の形状として特徴的なのがデコボコ状の畦です。周辺の排水を一手に担っていたため、水の流れを緩やかにし一気に流れ込むのを防ぐためのものと考えられます。
代替わりに伴い、この部分は埋め立てられ北池の規模が縮小されました。
▲北池の底の様子(デコボコの畦状になっています)
【9月】園路の造り方が判明!
園路とは庭園の中を巡る道路です。
10センチメートルほど掘り窪めた後、底を突き固め、砂利と砂を敷き詰めてさらに突き固めて造られました。
また、城郭の中を巡る城道との構造の違いも明らかになりました。
片側もしくは両側に溝(側溝)が設けられ、水はけを考慮してかまぼこ状に中央部を高くして造られています。
▲園路の底を突き固めた跡
【9月16日】発掘体験(わくわくチャレンジ)
市内19名の子どもたちが参加してくれました。
今年は9月に入っても猛暑が続く中、当日は曇りで気温も落ち着き、活動日和となりました。
今回掘ってもらうところは、中城にある城道近くの南北に走る溝。
戦国時代のお宝を見つけようと懸命に掘り進め、かわらけ(酒杯)、池や庭の石、そして中城で2例目の火鉢の底が出土しました。
他には江戸時代のキセルの吸口が出土しました。
発掘の大変さや楽しさなどの魅力を感じていただけたことと思います。
ご参加いただいた子どもたち、保護者の方々、ありがとうございました!
【7月】真壁城跡 初出土! さあ、何だっぺ?
11月18日(土)の現地説明会で初公開します。お楽しみに♪
※発掘現場や真壁伝承館歴史資料館での公開はしておりませんので、ご了承ください。
【6月】掘削開始
いよいよ本格的な調査が始まりました。
今年度は「遺構の年代を特定する」ことを目的に調査していきます。
これからどんなものが出土するのか、どんなことが明らかになるのか、とても楽しみです。
【5月】現場開始
今年度も始まりました。まずは作業をしやすくするため、ブルーシート養生や調査区内の除草作業、ネットの張替を行っていきます。
中城東土塁や中城南地区の除草作業を行っていきます。徐々に土塁や堀の形が見えるようになってきました。
令和4年度(2022年)
【1月17日】企画展スタート
今年度の調査で出土した遺物を展示した企画展が今日から始まりました。9月3日まで開催します。
解説シートには展示に入りきらなかった遺物のおこぼれ話が満載です。展示と合わせてご覧ください。
【12月】現場終了
現場終いに向けて、残りの作業を仕上げていきます。12月16日、今年度の調査は終了しました。
図面や遺物の整理作業は継続して行っていきます。
【11月19日】現地説明会
総勢100名の方々にお越しいただきました!ありがとうございます!
【11月】現地説明会への準備
いよいよ現地説明会に向けて…
遺構の清掃、駐車場の整備、テント・旗・看板・受付の設置や説明会資料の作成等の準備が始まりました。
今年は文化財課キャラクター「まかべどうむ」がパネルで登場します!
他にも記念品として缶バッチストラップや新装版の御城印も!?
【10月】掘削完了、記録作業へ
掘削がほとんど完了し、今度は測量を行っていきます。遺構の形や断面の様子を図面に描き起こしていきます。
同時進行で整理作業を行います。今回出土した遺物を洗浄し、注記をします。遺物の管理も大事な仕事です。
他には、劣化したブルーシートや土嚢を交換する作業も行いました。遺構の保護には欠かせません。
【9月18日】発掘体験(わくわくチャレンジ)
市内25名の子供たちが参加してくれました。
今回掘ったところは中城中央部の中央溝。当日はあいにくの小雨でしたが、皆スコップを片手にお宝を見つけようと懸命に掘っていました。当時の土器片などのお宝に出会えた時の嬉しさや楽しさ、発掘の面白さ、大変さなど様々なことを感じることができたと思います。
ご参加いただいた子供たち、保護者の方々、ありがとうございました!
【9月】新たに2点判明しました!
8月は猛暑日が多いため、作業は一旦休みに入ります。
(2)北池と北土塁の関係性は?
→北池は久幹の時に深い池が造られ、池の縁と接するように北土塁が築かれました。その後、氏幹に代替わりし、北土塁を拡張するために北池の範囲を狭めて浅い池に造り変えました。これらの様子が断面で確認できます。
(4)調整池の特徴は?
→久幹と氏幹の2時期が確認できました。ここも北池と同じく、氏幹は久幹の時期のを狭めて、浅くした調整池に造り変えを行っています。これも断面で確認できます。
【7月】順調に継続中
早速分かったことがあります。
(1)薬研堀状の水路の年代は?
→氏幹前期(1580~1590年)に造られました。氏幹がその後、北土塁を拡張するまでのわずかな期間しか使用されなかったことが判明しました。
(3)久幹の時期の池(下層池)はどんな池?
→久幹がまず深い池を掘り、その後造り直して浅い池に変え、子の氏幹が埋め戻したことが判明しました。久幹は最初に作った池が気に入らなくて造り直した…?父親のも良いけど、自分の庭園を造りたいなぁ…。よし、改造しよう!と思ったのかな、なんて冗談を言いながら、遺構の検討を進めていきます。
【6月】掘削開始!
今年度の課題は4つ!
(1)薬研堀状の水路の年代は?
(2)北池と北土塁の関係性は?
(3)久幹の時期の池(下層池)はどんな池?
(4)調整池の特徴は?
これらを解明していきます。
【5月】除草作業
作業を開始しました。昨年度よりも一ヶ月早い開始です。まずは作業の環境整備として除草を行います。
作業しやすい環境をつくることで安全面を確保します。
令和3年度(2021年)
【12月〜1月】調査終了!
調査も終盤です。調査の記録漏れがないように確認が重要です。
そして1月31日、今年度の調査を終了です。
▼1月 今年度調査終了
【12月4日】現地説明会を開催!
さあ、今年度の調査成果を皆様にご報告する現地説明会が始まりました。写真を撮りながら、メモを撮りながら、調査員の解説を熱心に聞いてくださり、ありがとうございました!
今年は総勢200名の方のご参加がありました。来年も皆様のご参加をお待ちしております。
令和3年度の現地説明会資料
https://www.city.sakuragawa.lg.jp/page/https://www.city.sakuragawa.lg.jp/temporary/https://www.city.sakuragawa.lg.jp/temporary/page006741.html#nakajo
【11月下旬〜12月初め】
現地説明会直前の1周間は本格的な準備です。
真壁氏の旗印であるイノシシののぼり旗を立て、駐車スペースのラインを引き、受付などのテントを設営し、遺構の場所をわかりやすくする看板を立てます。
▼イノシシののぼり旗を立てます ▼テント設営
▼駐車スペースのライン引き ▼遺構の名前を書いた看板の準備
▼準備完了!あとは開催を待つのみ…!
【11月】南の池は庭園から駐屯地へと変貌したことが明らかに!
17代久幹はこの場所に池を造り、池の東側に茶室を設け、池の西側に庭園を構成する畝状遺構(畑か)などを配置しました。
しかし、18代氏幹はそれらを埋め立て、新たに駐屯地に造り変えました。大筒の玉や素焼きの鍋、小屋の跡、数か所の炉の跡を発見することができました。
▼池の埋め立て土の上からは大筒の玉などが出土! ▼出土した遺物の写真撮影中
【10月】南の池の掘削開始!
この池は17代久幹によって造られ、18代氏幹が埋め立てたという経緯が昨年度の調査で判明しています。
今年度の調査は、池の西側の形を確かめ、全体の規模を確定させることが大きな目的の一つです。
また、埋め立て後の敷地が何に使用される場所となったのかを明らかにしていきます。
▼池の跡を追っている土(表土)の除去中 ▼表土からも遺物が出土します。慎重に作業。
【9月】戦国時代の城道と遠路の分岐点を発見!
城道は東西に延び、遠路はそこから北へ向かい庭園内を巡るようになっています。
白道には側溝が付けられていますが、遠路には側溝はなく路面に粘土が敷かれています。
遠路は一部補修されていたり、石を敷いたりしていることから、丁寧な維持管理をしていたことがわかりました。
▼道跡の測量作業中。発見した遺構を記録していきます
【8月】発掘作業進行中!
現在は継続して戦国時代の城道の探索を行っています。
今の地面から約1メートルほど掘ったところでようやく当時の真壁城の地面が見えてきました!
これまでの調査によって真壁城の当時の地面には、建物の跡や排水用の溝などが見つかっています。
上の写真の場所すぐ近くには庭園の跡(池跡や石組みなど)が見つかっており、今回の調査では庭園の園路や城内をめぐる道(城道)が見つかるかもしれません。
【7月】掘削開始!
今年度の調査では、戦国時代に城道が通っていたと考えられるところを掘っていきます。といっても、まだまだその当時の真壁城の地面は見えてきてません。現在の作業は、ひと昔前まで使われていた道路の砂利や畑の土などを除去する作業です。ある程度まで掘り下げたら、記録として写真撮影を行います。また、出土した土器の破片を洗って乾かす作業も同時に行っています。その後、一つ一つ番号を書いていきます…が、また次回以降写真とともに詳しく説明します。
そして引き続き、城内の草刈り作業も行っています。
作業の様子を順次アップしていきますので、乞うご期待!!
▼表土除去の様子
▼写真撮影(記録作業)と整理作業(出土品の洗浄)
【6月】発掘準備!
作業開始!とはいえ、まずは城内の草刈りの作業から。
清々しい気持ちで史跡を楽しんでもらうには欠かせない作業です。
作業の前後の写真をアップ!
▼中城南西虎口付近
▼中城南東虎口付近
▼三の堀
令和2年度(2020年)
【10~12月】発掘作業
12月5日に発掘調査の成果を発表する現地説明会を行いました。当日と同じ内容を動画にしましたのでぜひ こちら をチェック!
【6~9月】発掘作業
調査開始!今年も12月までの予定で発掘調査が始まりました。真壁城の当時の様子を知るため、その痕跡を探します。
初夏から真夏にかけての作業。
発掘調査は主に、表面の土を掘削していくところから始まります。
発掘する場所はやみくもに決めるのではなく、あらかじめ決めてあります。
▼発掘調査の進捗の様子
表面の土を人力で掘っていきます。
(発掘調査成果の詳しい内容はYouTubeをチェック‼)
表面の土を掘っていくと色の違う粘土の層が現れます。
それが戦国時代の終わりごろの地面です。
▼掘った土は1か所にまとめ、土山にしておきます(写真奥)。
当時の真壁城の地面から食器(とくにお酒を飲む杯=かわらけ)が出土することがあります。
ほとんどが長い年月の間に壊れてかけらになってしまっていますが、まれに欠けがない状態で出土することもあります。
▼石が出てきました。堀り広げた結果、現代のものと分かりました。そんなときもあります。
▼土山に持っていく土の中からかわらけのかけらが‼ 見逃さないように慎重に。
▼当時の地面が出てきました。土の色の境目に白線を引いています。白線は図面に残し記録します。
▼掘り手と土の運び手に分かれ、チームワークで作業します。
▼雨が降ると掘ったところに水が溜まるので、汲み出す作業もあります。
▼当時の地面の近くは貴重なものが出てくるかもしれないので慎重に‼
▼当時の杯が出土しました‼ 記録写真を撮るためにブラシで洗浄します。
(
6~9月で杯(かわらけ)や染付茶碗などのかわらけが200~300点ほど出土しました。
ほかにも雨水等の排水路や建物の柱の跡と思われる穴なども見つかりました。
発掘調査は記録作業です。
出土したものの位置や建物の跡などの痕跡、発見したものまるごと記録していきます。
その経過も記録しており、上の写真のような作業の様子も撮影しています。
写真や測量などが基本ですが、近年では3D技術も取り入れています。
調査は続行です。
▼発掘調査の進捗の様子