○桜川市太陽光発電施設の適正な設置及び管理に関する条例

令和3年9月10日

条例第29号

(目的)

第1条 この条例は、桜川市(以下「市」という。)における太陽光発電施設の適正な設置及び管理に関し、災害の防止、良好な景観の形成及び生活環境並びに豊かな自然環境の保全を図るために必要な事項を定めることにより、市民の安全及び安心を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電施設 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項に規定する再生可能エネルギー発電設備のうち、太陽光を再生可能エネルギー源とするものをいう。

(2) 太陽光発電事業 市内において、太陽光発電施設(以下「施設」という。)を利用し発電を行う事業で、出力の合計が10キロワット以上(同一又は共同の関係にあると認められる設置者が、同時期若しくは近接した時期又は近接した場所に設置する施設の合算した出力が10キロワット以上となる場合を含む。)のもので、以下のいずれかに該当するものを除く。

 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定する建築物の屋根、側面又は屋上のいずれかに設置するもの

 電気事業者その他の者に電気を供給しないもの

(3) 事業者 太陽光発電事業(以下「事業」という。)を行う者をいう。

(4) 事業区域 事業を行う区域をいう。

(5) 地域住民 事業区域を含む行政区の区域内に居住する住民をいう。

(6) 近隣関係者 事業区域に隣接する土地の所有者並びに当該土地に存する建築物の所有者及び当該建築物に居住する者をいう。

(7) 周辺関係者 地域住民及び近隣関係者の総称をいう。

(市の責務)

第3条 市は、第1条に規定する目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、事業の実施にあたり、関係法令、この条例及び関係ガイドラインを遵守し、市における災害の防止、良好な景観の形成及び生活環境並びに豊かな自然環境の保全に十分配慮するとともに、周辺関係者との良好な関係を保つよう努めなければならない。

2 事業者は、施設の適切な設置及び管理に努めるとともに、計画的に資金を積み立て、又はその他の方法により、施設を管理及び撤去するための必要な費用を確保し、事業を終了する場合は速やかに施設を撤去しなければならない。

3 事業者は、事業の実施に伴い事故等が発生した場合又は周辺関係者と紛争が生じた場合は、自己の責任において誠意をもってこれを解決し、再発防止のための措置を講じなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、第1条に規定する目的のため、この条例に定める手続きの実施に協力するよう努めなければならない。

(抑制区域)

第6条 市長は、市における災害の防止、良好な景観の形成及び歴史的、文化的価値、森林、農地等の保全のための配慮並びに豊かな自然環境の保全が必要な地区を抑制区域として指定するものとする。

2 市長は、前項の抑制区域において事業が計画された場合は、当該事業の事業者に協力を求めることができる。

(事前協議)

第7条 事業者は、第9条第1項の規定による届出をしようとするときは、事業に関する計画について、あらかじめ市長と協議しなければならない。

2 市長は、前項の規定による協議があったときは、事業者に対して必要な助言を行うことができる。

(周辺関係者への説明)

第8条 事業者は、施設の設置に関する事業計画に伴い、当該事業区域の周辺関係者に対してあらかじめ説明会を開催するなど、当該事業計画に関する周知について必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、前項の周知を行うにあたり、次条第1項の規定による届出を行うまでに、事業計画の内容について地域住民の同意を得るとともに、近隣関係者の理解が得られるよう努めなければならない。

3 事業者は、第1項の措置を行った結果、周辺関係者から意見の申し出があった場合は、意見を申し出た周辺関係者と協議し、対応しなければならない。

4 事業者は、第1項の規定による説明会の結果について、次条第1項の規定による届出に合わせ市長に報告しなければならない。

(事業の届出及び協議)

第9条 事業者は、事業を行おうとするときは、あらかじめ規則で定める事項を届け出て、市長と協議しなければならない。

2 事業者は、前項の規定により届け出た事項のうち、規則で定めるものを変更したときは、その旨を市長に届け出なければならない。

(協議終了の通知等)

第10条 市長は、前条第1項の規定による協議が終了したときは、事業者に当該協議が終了した旨を通知するものとする。

2 市長は、必要に応じて、前項の規定による通知に意見を付すことができるものとする。

3 事業者は、第1項の規定による通知を受けた後に事業に着手するものとする。

(事業に係る工事の届出)

第11条 事業者は、工事に着手した場合は、速やかに市長に届け出なければならない。なお、工事を完了、中止又は再開した場合も同様とする。

2 市長は、前項における工事完了の届出があった場合は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対して資料の提出を求め、職員に事業区域に立ち入らせて必要な確認をさせることができる。

(適正な設置及び管理)

第12条 事業者は、規則で定めるところにより、施設の適正な設置及び事業区域内を常時安全かつ良好な状態となるよう管理しなければならない。

(施設の廃止)

第13条 事業者は、施設を廃止しようとするときは、あらかじめ市長に届け出なければならない。

2 事業者は、事業の廃止において行う措置を適切に行うとともに、施設の廃止が完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(指導又は勧告)

第14条 市長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、適切な措置を講ずるよう指導又は勧告を行うことができる。

(1) 第9条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

(2) 第10条第1項の規定による通知を受ける前に事業に着手したとき。

(3) 前条第1項第2項の規定による届出を行わず、又は虚偽の協議等をしたとき。

(4) 事業者が適正な設置及び管理を怠り、事業区域外に被害を与えたとき又は被害を与える恐れがあるとき。

(5) 前各号に定めるもののほか、市長が必要と認めるとき。

2 事業者は、前項の規定による指導又は勧告を受けたときは、その処理の状況を市長に報告しなければならない。

3 市長は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに確認を行うものとする。

(公表)

第15条 市長は、前条第1項の規定による勧告を受けた事業者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者に対し、その理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和3年12月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の規定は、この条例の公布日前に工事に着手している事業については、施行日以後に事業計画の変更又は廃止が行われるまでの間は、第6条から第11条の規定は適用しない。

3 この条例の規定は、この条例の公布日から施行日までに工事に着手する事業については、施行日以後に事業計画の変更又は廃止が行われるまでの間は、第6条第7条第9条及び第10条の規定は適用しない。

桜川市太陽光発電施設の適正な設置及び管理に関する条例

令和3年9月10日 条例第29号

(令和3年12月1日施行)